日本国籍の喪失に関する注意事項
令和5年12月28日
1.外国籍の取得による日本国籍の喪失にご注意ください。
海外で生活をしていると、滞在国の国籍を保持した方が都合が良いと思われる場合があるかも知れません。しかし、日本国籍をお持ちの方が外国籍の取得を希望し、帰化、国籍取得申請、一度喪失した外国籍の国籍の再取得など、ご自分の意思で外国籍を取得した場合は、国籍法第11条に従い、日本国籍を喪失します。また、子が未成年の時に、親などの法定代理人が未成年の子に代わり外国籍取得の手続きをとった場合も、自己の志望による外国籍の取得に当たると考えられ、日本国籍を喪失します。なお、ご自分の意思とは関係なく、他の国籍を取得した場合(一例:日本国籍の母とトルコ国籍の父との間に子供が生まれ、出生により日本とトルコの国籍を取得する場合等)には、日本国籍を喪失しませんが、国籍法第14条1項に従い、いずれかの国籍を選択する必要があります。一度、自らの意思で外国籍を取得し、日本国籍を喪失してしまうと、日本に生活の本拠である住所をおいた上で、帰化の申請をしなければ、再び日本国籍を取得することはできませんので、ご注意ください。
そして、日本国籍を喪失した場合には、本人、配偶者又は四親等内の親族が、国籍喪失の事実を知った日から1ヶ月以内(届出をすべき者がその事実を知った日に国外にあるときは、その日から3ヶ月以内)に国籍喪失届を本籍地役場又は最寄りの日本大使館、総領事館に届け出る義務があります。
日本国パスポートは、日本国籍を有している方のみ所有できるものですので、日本国籍を喪失した場合、日本国パスポートを取得することができなくなる点にも留意が必要です。
2.出生子の日本国籍の喪失にご注意ください。
父母、若しくは父又は母(外国人母と日本人父の間に婚姻前に生まれた子は日本人父に胎児認知されている場合)が日本人であれば、生まれたお子さんは出生により日本国籍を取得します。しかし、海外で生まれ、出生によって外国籍も取得した日本国民は、生まれた日から3ヶ月以内に日本国籍を留保する意思表示をした出生届をしなければ、国籍法12条に従い、出生の時にさかのぼり日本国籍を喪失しますので、ご注意ください。提出期限は、出生日を起算日とし、3ヶ月後の応答日の前日が期限となります。例えば4月1日に出生した子の出生届であれば、7月1日の前日である6月30日が提出期限であり、応答日の7月1日では期限を過ぎていますのでお間違えの無いようにしてください。
もし、期限までに届出ができず、日本国籍を喪失してしまった場合には、その子が未成年の間で、かつ、日本に住所を置いて生活するようになった時に、国籍法17条1項に従い、住所地を管轄する法務局に届出することによって、日本国籍を再取得することができます。
例外的に、出生日から3ヶ月を経過していても、自然災害等のため長期間にわたり交通や郵便が完全に麻痺してしまったなど、期限内に郵送などいかなる方法でも届出ができなかった場合、その理由が個別の審査で届出人の責任に因らないと判断され、出生届が受理されて日本国籍が認められる場合があります。